システムの調整と英文のメールを書いてたら、えらい時間がかかってしまって、睡眠時間がほとんど取れなかった。しかも、あわよくば名刺を渡したいと、追加情報の印刷データを作ったにもかかわらず、プリンターの設定でちょっとした勘違いをしてしまい、大幅な時間ロス。「こんなことにまで頭を使いたくないよぉ」
結局出来上がったのは、一回目が終わったころだった。2回目は午後3時より。お昼ご飯を食べると間に合わないので、そのまま会場に向かう。
ハラヘッタ…
会場はうめきた・グランフロント大阪。今年4月に出来たばっかり。当分用事はないだろうと思っていたけど。
新しい施設だけに、人がたくさん。「イケスカ……イカス、カッコイイビジネスマンもいっぱいいるね。服装を取り換えても、ああは成れなそうもない私が来ましたよ。」
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「THE世界一展」日本のユニークで面白い伝統やハイテク、ポップカルチャー等を紹介する展示会場。この一環として詩文奈さんのトークライブが行われた。ここで紹介される日本人の実績は素晴らしいものだけれども、こういったある種の「自分褒め」って、「やりすぎると毒にもなるよなぁ」と思ったりもする。
オタク界のちょいワル姐さんこと詩文奈さん登場。詩文奈さんはイタリア出身で、もう20年も漫画の翻訳をされてきた、気さくな感じのするキュートな女性だった。幼少のころから日本のマンガやアニメに興味を持ち、プロオタク世界一を目指していらっしゃるそう。プロオタクの世界もなかなか手ごわそうな方が多いのだけれど、こと"オタクイーン"に限定すると、この方を置いて他にはいないのではないだろうか。
翻訳家としてのキャリアは、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』からアニメ版『攻殻機動隊』、『NANA』など、人気作品を数多く手掛けていらっしゃる。『ジョジョ』は擬音語に苦労されたそうだが、さもありなん。荒木飛呂彦氏のマンガで使われる擬音語は、日本語としても特にエキセントリックなもので、紙までずっしりと重くなりそうな重量感ある絵柄と相まって、独特な世界を作り出している。「外国人もカタカナが読めればいいのにね」
ところでこの司会者の方が、オタク用語(と彼女が考えたであろう言葉)を発する際に、ちょっとした間を入れてくるのが気になった。「コスプ…レイヤー?」「…オタクを一般人とは特にに違った存在として扱うのは、もはや古典的なのではないかな?特に今回は国際的な広がりについて語られる訳だし、普通にしておけばいいのでは?」とも思ったけれど、そう言われた詩文奈さんにちょっと照れたようなリアクションを取らせることで、出演者の表情を変化させるプロとしての判断なのかもしれないので「まぁいいのかな。」と思うことにした。
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質問はありますか?
正直言って、ただ聞いて帰っただけでは、とてももったいない。「何とかしてこちらのことも知ってもらいたい。」楽しいお話を聞きながら、そう考えていると司会の方が「詩文奈さんに何か聞いてみたいことはありませんか?」と言ってくれた。他のお客さんのことも気にかかったが、「これを逃す訳には行くまい。」
日本人はこういう場面ではあまり質問しない。人数も十人ちょっと。もう一度呼びかけがあったら…1・2・3 NOW!あ、質問は?
えぇ~と。マンガの新しいサービスを…
「マンガに簡単にほかの言語のセリフを付けられるWebサービスをはじめたのですが、なにかアドバイスを…」、っ、っ、やってしまった。そんな抽象的な、どうやって答えろって質問を。

「っていきなり営業かいっ!」詩文奈さんがきっちり突っ込んでくれ、司会の方もフォローしてくれたのではありますが、ほかにちゃんとした質問をしたかった方がいらしたらごめんなさい。ちなみにそのお答えは「まぁ、ダメならダメで次に行けばいいので、とにかくやることが大事」というような事を言っていただきました。
っていきなり営業かいっ!
・・・
とっさの機転が利かないのが、本当に口惜しいです。でも前からイタリア人に効きたかった「『ARIA』ってイタリアではどう評価されていますか?」って聞けばよかったかも。でもみんな知っているとは限らないし…。
ドキドキの余韻と反省、そして、ともかくやるだけのことはやった安堵感に包まれながら、もう昼ごはんとは言えない食事をとる。なんだかちっとも腹に入った気がしなくて、いつもよりだいぶ余計に食べてしまいました。
おわり
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小説大好き!(!が1つの頃、1999年~)は、人力でクリエイターさんを探していました。「レイン」の吉野 匠さんがまだ浪漫の騎士だった頃は、小説大好き!に投稿機能がありまして、今、ロマキシさんは圧しも圧されぬファンタジー戦記のパイオニアになっています。

お婆ちゃんが言ってました。「商売は牛のよだれ。長~く、太~く」これでいいのだw

詩文奈さんのトークライブに行った

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